ファミレスで一番大変だったのは、マニュアルをおぼえたり、長時間労働、売上管理、在庫管理、といろいろとあるんですが、なにものでもない「人間関係」が一番大変でしたね。先に言ったことは自分でどうにかなりますからね。売り上げを上げるのもコツコツといろいろ試していけばいい話で、成功はあっても失敗はないですからね。
というわけで、人間関係のなかでも大変な「おばちゃん」についてお話ししたいと思います。
イケイケどんどん
私は、ファミレス正社員になる前は居酒屋やバーで働いていたので、入社当初は「イケイケどんどん」だったわけです。イケイケといっても「何言ってるかわからない」くらいうるさいわけじゃないですよ。
いつもニコニコで、とにかくほめたり、モチベーション上げていくんですよ。会話の中に「いいね」、「へーそうなんだ」、「それで、どうなった?」って感じで。おばちゃんは基本的にしゃべりたがりなので、これが功を制したんです。とにかく話を聞く、聞く、聞くって感じです。
まあ、私が若かったので、自分の子供みたいに扱ってくれたのかもしれませんけどね。現に、その後の他のお店では二人の姉さんとおばちゃん一人に掌でコロコロ転がされましたからね。
そうなると、あんまり喋んないおばちゃんも苦笑いしながら参加してくるわけですよ。おばちゃんあるある、おばちゃん相乗効果って言ってもいいかもしれませんね。
もちろん、楽しいだけじゃなくてつらい時もありましたよ。
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ときに技を見せつける
イケイケどんどんでバカみたいに「いいね」、「へーそうなんだ」、「それで、どうなった?」って連呼してもダメですよ。ときに、おばちゃんに「すご~い」って見せつけないといけません。
あるおばちゃんとランチタイムの仕込みに入ったときのこと、ネギの小口切りがあるんですが、おばちゃんは私をこう見るわけですよ。
「(わっかい兄ちゃんにネギが切れるわけがないだろっ、早く私にかわんなさい!)」
言われなくても、おばちゃんの目を見たらわかりましたよ。「(マジで切る気?手切るからやめとけ)」って今にも口から出そうでしたからね。そこで、私はネギ1束じゃなくて3束を握って、シャしゃっと水洗い、キッチンペーパーでクルクルっとまいて、牛刀を握る。
そして、ものすごい勢いでネギを切るわけです。おばちゃんの包丁さばきなんて比になんないくらい。
そうすると、さっきまでのおばちゃんの私を見るまなざしが「(ちょちょちょっと、えっマジで}」って変わるわけです。これでおばちゃんのハートを射止めましたね。ネギの小口切りでおばあちゃん、落ちました。
これが若いかわいい女の子ならな~って悔やみましたよ。
あばちゃん使いが仇に
こうして、私はいいか悪いかは別して、おばちゃん使いになったわけです。そうなると、それが仇になることが多々起きるようになったんです。若いアルバイトの女の子やキャリアウーマンっぽい女性正社員から見るといい気分がしないんです。
おばちゃんとワイワイやってる私が気に食わないのです。
かといって、おばちゃんと同じように、若い女の子や女性正社員と話すと「お前、キモイんだけど」ってなりますからね。
というのも、そもそも居酒屋で働いてるような女の子や女性っていませんからね。ファミレスには。それが嫌でファミレスで働いてるんですけど、ってのがほとんどだと思います。これに気づくのが遅かった。女性の確執って怖くて、それ以来何人かの人から嫌われましたよ。
その後、転勤したんですけど、そんなこともあって「イケイケどんどん」をちょっとおさえて「イケイケとんとん」ぐらいにしました。
ちなみに、「イケイケどんどん」が使える女性は、おばちゃんのほかに女子高生や女子大生にも使えますね。高校生や大学生だと歳が近かったので、お兄さん的な存在だったのかもしれません。期待値を上げると。
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